無事、義父の四十九日を終えました。
少人数だった家族葬に引き続き、四十九日も参列は6人だけ。
今回の葬儀は、義父が面白いほどお金を残していなかったことと
本人も「わしゃ、焼いてもらうだけでいい」と言い残していたことで
できるだけ節約精神で法要をこなす、という意見一致のもと、
四十九日も、坊さんへの「お車代」を節約するためにマイカーで山奥の寺まで送り迎えをしました。
坊さんも世代交代で、じいさん坊さんはもう隠居して、息子が跡つぎに。
この坊さん、55歳なのに、
なぜか40歳くらいにみえる。
肌がつるっつるで、髪の毛も剛毛でつやっつや。(短くしてるけど)
なんかもーぴかぴかしちゃってるかんじの「坊さん」というより「坊ちゃん」な人です。
お経ってふつうそらで(暗記で)あげるものかと当然のように思ってたけど
この方、みんなに本を配り(まるでキリスト教の讃美歌集のように)
自分も本を手に取って、
「何ページでございます」
と言ってみんなで合唱する。
そういう宗派なのかもだけど、
先代のじいさん坊さんはそんなこと一度もしていませんでしたよ。
そんなことより、何しゃべってんだかちっともわかんない。
説法をしているうちに、だんだんと話があさっての方向にずれて、
結局自分でも何を言おうとしていたのかわからなくなっているのがこちらにまで伝わり
ハラハラしながら聞いていると、おんなじくだりを何回もくりかえしたあげく
長い沈黙を経て
「・・・ですから親は、無償の愛を子供にあたえるのです」
いや、それ今初めて聞いたよ、そんな話題じゃなかったじゃん。
そんな坊さんなのでツッコミ出したらきりがなく、当然話もかみ合わないんだけど、
山道をごとごとと送り迎えの道中、何もしゃべらないわけにはいかない。
ダンナは運転しているわけだし、助手席の私が何か話しかけねば・・・。
私 「あ。彼岸花が咲いてますね。なんで彼岸花っていうんでしょうね」
坊 「お彼岸に咲くからでしょう」
私 「・・・・・」
坊 「・・・・・」
私 「曼珠沙華とも言いますね。これは仏教用語ですかね。仏教と縁の深い花なんでしょうかね」
坊 「・・・・・」
私 「・・・・・」
坊 「彼岸に咲きますからね」
私 「・・・・ですね。」
坊 「あ!パトカーだパトカーだ!! 何!?何!?」
ダンナ 「お巡りさん、3人おるな。」
坊 「3人も?? 事件??事件??」
ダ 「あ、不法投棄を調べとる感じ。繁みにいっぱい粗大ゴミ捨てとるわ~」
坊 「不法投棄か~。あ~。なんだ~。」
ダ 私 「・・・・」
あんたは、ワシらのツレか。
ドライブゴーゴーか。
ひとつ問おう。
坊主としての誇りはあるのか。
煩悩とは何なのか。
中島みゆきの、なんかてきとうなメロディーに乗せてそう歌いたかった。
坊主の子は坊主。
あらがえない稼業のループでしょう。
好きでなったんじゃねえやってなもんかもしれません。
ですが親を亡くした親族の立場から言えばお経をあげてもらうのに
こんなチャラ男じゃたまったものではありません。
ああ。ここで思い出すのが
社長の息子は社長。
好きで社長になろうとしてるんじゃねえやって思っているのかもしれません。
ですがその下で働いているおばちゃんとしてはたまったものではありません。
が。この話はまた別日にあらためましょう。
というわけで俗世間に身を置きすぎのチャラ坊の送迎という苦行を終え、
岡山に戻る際に寄ったのが
「いろり 山賊」というファミリーレストラン。
多分ここを訪れる人のほぼ全員がファミリーレストランと認識していないと思うんだけど
店側がファミレスと言い張っているので
そう言ってあげないとね。
見た目、こんなだけど。
5月の写真じゃないよ。すっかり秋なんですけど。
フツーのファミレスに、店内に滝とかないけど、ここ、本気で山から落ちる滝があるしね。
店内に地蔵も何体もおるしね。
たまにでかい恐竜がおったりとかね。
自由にたたいていい大太鼓とかあるしね。
あんまりないのが、屋根。
ずらり並ぶのが、こたつ。
昔からあるので、結婚以来帰省のたびに利用してて、結果、数か月に一度は来ている勘定です。
ただ店内で食事したことは一度としてなく、いつも持ち帰りの鶏のもも肉と、
メニュー外の、タレの瓶詰を買って帰るのが定番。
このタレを使ってから揚げや照り焼き、炒めものなんかを作ると絶品で。
その買い方を教えてくれたのが亡き義父で、
元気なころはスーパーカブで1時間かけてよく買って店員さんとも顔なじみになっていたのにね。
その店の駐車場で、のんきに虫食ってるセキレイさん。
あなた。顔が黄ばんでませんか??
こんなところでは重たいカメラは持ってないので、
とりあえずコンデジを取り出してパシャリ。
コンデジでもちゃんと撮れる近さまで来てくれる、
人懐っこさはセキレイそのものですが。
どうみても顔が黄ばみ過ぎ。
肝臓を悪くして黄疸が出たんでしょうか。
それとも
「キガシラセキレイ」、みたいな、
珍しい鳥でしょうか。
それにしては地べたと人間になじみ過ぎ。
それはたとえば綾瀬はるかがうちの近所のユニクロで
ジーンズの試着していました、くらいのなじみ過ぎです。
地蔵&黄ばんだセキレイ。
正体不明のファミレスの駐車場という、存在理由不明な地蔵の前で
正体不明のセキレイが楽しそうに虫を食ってる。
四十九日が終わって忌は明け、また私の錯綜した日常が戻ってきます。