仕事をしていると、窓際で31歳のまぁちゃんが、
小さく叫んだ。
で、ハタキを持ってきて
何かをはたこうとしているが
明らかに腰が引けている。
どう見ても生物チックなものを相手にしているとしか思えない。
「なに?虫?」と聞いてみる。
「へんな大きな虫~~」
と言うので、見たらカメムシ。
でかい。
「だめだよ刺激を与えたら臭くなるじゃん~!」と私。
「え?これ、カメムシなんですか?こんなおっきいんですか?」
「そうだよ。どっから見てもカメムシだよ」
独特な形状は間違えようがない。
「カメムシ、臭いんですか?」
・・・・31年間、カメムシと何一つ腐れ縁、ちがう、臭い縁がなかったらしい。
ちゃんとかしこいいい子なんだけど、
ときどきびっくりするくらい知らないものがある。
早めに対応したので事務所は臭くならずに済みました。
以前。
これは、本当に縁がなければ知らないことなのだろうけど、
休憩時間、20代のゆみちゃんに
「ゆうゆうさん、学生のとき、ねおし、しました?制服を。」
「寝押し?したよ。中学・高校のとき、制服がプリーツスカートだったから」
「ですよね、ですよね。失敗してくちゃくちゃになったりテカテカになったけど、しましたよね。
まあちゃん先輩に『ねおし』の話をしたら通じませんでした!私らだけかと思った!」
そうか。こんな時代になっても「寝押し」するんだ。
ねおしフォーエバー。
たしかまあちゃんの出た高校はヒダがなかったもんなあ。
知らずに過ごせば仕方ないよな。
午後。
「あのぉ、まあちゃん。エクセルの段組み印刷ってできないんかな」
「ああ、エクセルではできませんけど・・・関数を使って、こうやってこの画面で
・・・ここに=を入れて、あとはオートフィルすればこんな段組みができます」
る~るぅるるるぅ~~。
もう頭の中が夜明けのスキャット。
まあちゃんが言ってること、半分くらいしかわかんない。
わかってもたぶん「わかりましたではやりましょう」って言って
出来そうにない。
思えばパソコン教室に通ったのはウィンドウズ93とかそんなころだったっけ。
パソコン史でいえばほとんど弥生時代みたいんもんだよ。
弥生土器つくる知識持ってても今の世の中、なんの役にも立たないのね。
っていうかエクセルなんてめったにつかわないから
きれいさっぱり弥生時代の記憶すらなくなってる。
カメムシを知らないの?って言ってごめんねまあちゃん、
今はカメムシよりエクセルの知識があるほうが強いわ・・・。
とつぜんですが、初めて撮ったコサメビタキ。
(野鳥の本ではたぶんそう。)
かわいい声でさえずっていました。
コサメビタキよりエクセルの知識が大事だけど、
やっぱりコサメビタキを知らないより、知ってるほうがいいです。
あんがい大事なことはつまんない。
しょうもないことを知る醍醐味こそ、気持ちの豊かさにつながる気がする。
と。
エクセル知らずのいいわけですかね。
涼しい写真を撮りたくなる季節になりました。